こんにちは!通信業界に6年ほど勤務していたmatuです。
突然ですが、皆さんがよく利用しているインターネットの回線でこんなことを感じていませんか?
数年前に契約した回線が遅いと感じることがある。
VODなどのストーリミング配信が止まることがある。
これらの原因は以下の通りです。
<<インターネットが遅くなる理由>>
①IPv4バージョンの「IPアドレス」が限界に達している。
②IPv4の通信方式PPPoEを採用しているからアクセスが集中すると遅くなる。
といわれても、IPv4といわれてもよくわからないですよね!
特に、PPPoEなんて言葉も普段は使いませんからなおさらです。
この記事では、少しでもIPv4のことや最新の技術について理解できるように簡単に説明いたします。
ですが、この記事はあくまで簡易的なネットの知識を抜粋した初心者向けの紹介になっています。
中級者・上級者の方にとっては物足りない記事となっていますのでご了承ください。

<<この記事はこんな方におすすめ>>
□最近、ネット回線が遅いと感じているが原因がわからない方
□新規でインターネット回線を契約したいと考えている方
□IPv6とIPv4の違いがわからない方
IPv4とIPアドレスって何?
先に、ご存知の方がいるかもしれませんが簡単にインターネットの基礎を説明させていただきます。
まず、インターネットを行うにはIPアドレス(識別番号)が必要です。
IPアドレスには、バージョンといわれるものがあり、そのバージョンにはIPv4とIPv6が存在しています。

IPアドレスを簡単に説明するとインターネット上の住所を表す言葉です。
ネットが遅い原因はIPv4の枯渇問題と通信方式にある。
古くから使われているIPアドレスであるIPv4と新しく利用され始めたIPアドレスのIPv6の2つが並行で利用されています。前者は多くのインターネットプロバイダで利用されており、後者は数少ないプロバイダーが取り扱っています。
後者が誕生した背景には、IPv4のIPアドレスが枯渇する問題があるからです。
枯渇の原因とされているのが、IPv4の識別できるアドレス数が「約43億」と決まっていること、アドレスの重複が効かないこと、携帯やゲーム機の普及で一気に数があり当てられたことが挙げられます。
<<IPv4の問題>>
○IPアドレスの数が約43億と決まっている。
○アドレスは重複することができない。
○携帯やゲーム機の普及でアドレスが枯渇寸前である。
IPアドレスの枯渇で起きる問題とは?
枯渇で起きる問題は、集中アクセスによる回線の障害です。
例として説明しますが、43億近いIPアドレス(回線利用者)が一斉にインターネットに接続したと想定したとしましょう。
この状況でアクセスが集中すると、通信処理が追いつかなくなりやり取りすることができなくなります。
よくいわれる言葉にパケ詰まりといわれる現象です。
IPv4の通信方式PPPoEとは?
IPv4の通信方式には「PPPoE」といわれる通信方式を採用しています。
この方式は、2段式で「ユーザー名」と「パスワード」が必要になること、電話回線網とインターネットサービスプロバイダーを接続する際には必ず「ネットワーク終端装置」を通さないと通信をおこなうことができない特徴を持っています。
IPv4はユーザー名(ID)と設定したパスワードを入力を必要とするトンネル接続方式
<終端装置とは>
NTT西日本がサービス提供していたフレッツ光・プレミアムに使われていた、宅内設置の装置である。光回線終端装置(ONU)は光ファイバーを電気信号に変換する装置であるが、この加入者網終端装置はデータ通信や通話などのサービスを提供する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)「https://ja.wikipedia.org/wiki/加入者網終端装置」
実は、この仕組みが通信速度を遅くする原因なんです。
因みに、速度が遅くなるといわれる時間帯は「6時−8時、11時−13時、17時−19時」の3つに集中します。
この時間帯に利用している方で、パケット(接続)更新が遅いと感じたことがあるという方は、原因のひとつにこの問題かもしれません。
これらの問題を解決すべく、開発されたのがIPv6といわれるIPv4の次のバージョンのIPアドレスです。
これについては、次の項目で紹介いたします。
IPv4に代わる新しいIPアドレス IPv6という新しい技術で何が変わる?
IPv6の通信方式IPoEとは?
IPv6の通信方式は網終端装置を利用せずに直接回線のやり取りを行えます。
この方式を、IPoEといいます。特徴は、それぞれのIPアドレスとの互換性がありません。
よく勘違いされているのは、IPv6は最新だから旧方式のIPv4も利用できるだろうという認識です。
基本的には、IPv6とIPv4はバージョンが違いますのでIPv4(従来)で利用していたサイト(IPv4のみ対応)が回覧がきないことを覚えて置いてください。
また、IPv6を利用するには専用のルーターとプロバイダーのホームゲートウェイが必要になります。
ネイティブ接続方式といわれ「ユーザー名(ID)」と「設定したパスワード」が不要な通信方式

また、IPv6はIPoEとの組み合わせることにより、IPv4より高速な通信が可能になります。

IPv6のメリット・デメリット
IPv6とは、IPv4に変わる新たなIPアドレスと何度も説明はしていますが、特徴とデメリットについては詳しく説明しをしておりませんので、ここで説明したいと思います。(IPv6には、3つのメリットと2つのデメリットがあります。)
IPv6のメリットは?
メリットの方から説明して行きますが、IPv6のIPアドレスは無限大に存在するといわれています。メリットはIPv4のよう枯渇問題が起きないこと、さらにIPoEといわれる通信方式と組み合わせることで通信速度が速くなることにあります。
IPv6のセキュリティの高さはIPv4と同等ですが、IPSecの利用によって改ざんや傍受のリスクが軽減化されます。
□IPアドレスが無限にある
□セキュリティーが実装しやすい
□インターネットへの接続が簡単
暗号化によってパケットの秘匿や改ざん検知を実現するプロトコルです
IPv6のデメリットは?
デメリットは、IPv4で作られているサイトのないことでこれに比例してIPv6のサイトが少ないことにあります。
✖️IPv4で作られているサイトへアクセスできない。
✖️IPv6専用のルーターを用意する必要がある。
IPv4とIPv6のそれぞれの違いまとめ
IPv4とIPv6の違いは、IPアドレスの数が違うこと、IPv6は終端装置の必要がないこと、それぞれ通信方式が違うことです。
<<IPv4とIPv6の違い>>
①IPアドレスの数が違う
②IPv6には終端装置がいない。
③それぞれ通信方式が違う
また、IPv4とIPv6双方の回線に互換性はないで、IPv6を利用できるからといってIPv4へのサイトへアクセスすることはできません。
双方の回線へアクセスすには、「v6プラス」と「IPv4 over IPv6」といったサービスを利用することで可能になります。
最近では、光クロスというサービスも展開さています。

v6プラスとIPv4 over IPv6とは?
v6プラスとはJ Pneの商標
v6プラスとは、日本ネットワークネイブラー株式会社(Jpne)が提供するインターネット接続サービス(商標)です。
技術的に説明すると、IPoE方式とIPv6接続とともに、MAP-E方式によるトンネリング(IPv4 over IPv6)を使用することで、IPv6接続を介してのIPv4へ接続ができるサービス。

簡単に説明すると、IPv6とIPv4の両サイトへの接続ができます。
また、v6プラスには一部利用できないサービスがあります。
・IP電話(050)サービス
・固定IPサービス
・一部通信型ゲームなど、特定ポートを使用するサービス
・特定のプロトコル(PPTP、SCTP)を利用するサービス
・その他、IPv4グローバルアドレスを共有するネットワークでは利用できないサービス
・IPv4アドレスの割当は実質半固定IP
IPv4 over IPv6とはフレッツ網のサービス1つ
IPv4 over IPv6は、IPv6環境下でIPv6形式の通信パケットだけでなく、IPv4形式の通信パケットにIPv6形式の通信パケットのように見せかけて通信を行います。
簡単に説明すると、IPv6の環境で通信を行いながら、従来のIPv4アドレスでの通信もできるようにする技術です。
v6プラスとの違いは、IPv4 over IPv6はNTTのフレッツ網のサービスのひとつのことをいい、v6プラスはIPv4 over IPv6(親)のサービスをユーザーに提供する側(プロバイダー)です。
実は、v6プラスの商品とは別に、たくさんの商品サービスが展開されています。
どのサービスも「IPv4 over IPv6」を基準としているのですが、企業によっては説明に曖昧な点が多いので、必ず「IPv4 over IPv6」なのか確認することをオススメします。
因みに、v6プラスの主なプロバイダーは、@nifty、GMOとくとくBB、So-net などです。
この中で、GMOとくとくBBはドコモ光と「光コラボレーション」を行ってサービスを展開しています。(有名です。)
ISPとは・・・インターネットサービスのプロバイダ
光コラボレーションとは・・・ドコモ・au・SBMなどの通信事業を示す
まとめ
これからの時代は、モバイル5G,ローカル5G,Wi-Fi6とネットワークは格段に進化していきます。
機器と利用者が増えれば、IPv4の利用速度はさらに落ちることになるでしょう。
この記事を読んで少しでも、IPv6について学んでいただきその中にでv6プラスとIPv4 over IPv6といったサービスがあることを理解していただければ幸いです。
内容に少々物足りないと感じた方は気軽にお問い合わせください。
おわり
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